法律用語・契約用語 「直ちに、速やかに、遅滞なく」何がどう違うのか説明します

法律用語や契約用語は難しい言葉がたくさん出てきます。
文章の構成や接続語の使い方など本当に複雑だと思います。
そんな難しい専門用語をできるだけわかりやすく説明します。

直ちに

「直ちに」は遅れることを許さず、即座に行われる必要があるときに使います。

時間的な間隔を空けることは許されず、最優先で行わなければならないときに使われ、即時性の要請が最も強いときに使います。

速やかに

「速やかに」はできるだけ早くというニュアンスが込められていて、一般的には遅延してもすぐに契約違反の問題にはならないような場合に使います。

速やかにの即時性についてですが、行政行為に関しては直ちにに次いで即時性が強いものとされています。

契約用語としては、即時性の強弱の程度というよりは訓示的な意味合いが強いため時間的な拘束性は一番弱いとされます。

遅滞なく

「遅滞なく」は合理的理由に基づく遅延は許されるものの、時間的には急ぎの意味です。

必ずしも即座に行われる必要はなく、取引上の社会通念に従い相当と認められる期間であればよいとされていますので、即時性は一番弱いものとされています。

まとめ

一般的に即時性は「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」の順番で使われています。

契約関係においては、「直ちに」「遅滞なく」で即時性を使い分けて、「速やかに」は訓示的に使う場面が多いように思います。


ご参考になれば幸いです。