「建設業として売り上げを上げていいのか? 判断に迷ったときに」

建設業とは、元請、下請その他いかなる名義ををもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう

これは建設業法の第2条第2項の定義で出てくる条文です

「建設工事の完成を請け負う営業」に該当するものが建設工事であって、該当しなければ兼業となります


岡山県では兼業事業となるものが例示として挙げられています

〇草刈り、雑木伐採
〇樹木のせん定、庭木の管理
〇緑地・公園の管理
〇機械・設備等の保守・点検、部品(電球、パッキン等の消耗品)の交換等
〇溝掃除(水路の堆積物の除却等)
〇除雪
〇測量・コンサルタント業務
〇試掘
〇土砂の撤去
〇土砂の仮置き(土のう製作・設置を含む)
〇産業廃棄物の運搬処分
〇浄化槽清掃
〇工事現場の清掃
〇路面清掃
〇不動産販売(土地 ・建売住宅の販売)
〇委託管理業務
〇建設資材の販売・賃貸等
〇船舶、自動車、建設機械等に係る作業
〇道路パトロール
〇警備


一部には建設工事では?と思ってしまうものの記載がありますが
これらは建設工事ではなく、兼業事業と判断されます



建設業者の方にとって、建設工事になるのか、兼業になるのかはとても重要なことで


請け負う工事が建設工事になるかどうかで許可の有無の問題が出てきますし


建設業許可申請や決算変更届出で提出する財務諸表の書き方も変わります



建設業者の方は「建設工事とは何か?」を理解しておく必要があるのです


建設業法第二条1項では、この法律において「建設工事」とは、土木建築に関する工事で別表第一の上欄に掲げるものをいう
と定義されていて、下にあるのが別表第一になります

土木一式工事総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。以下同じ。)
建築一式工事総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事
大工工事木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事
左官工事工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事
とび・土工・コンクリート工事イ 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て、工作物の解体等を行う工事ロ くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事ハ 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事ニ コンクリートにより工作物を築造する工事ホ その他基礎的ないしは準備的工事
石工事石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事
屋根工事瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事
電気工事発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事
管工事冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事
タイル・れんが・ブロツク工事れんが、コンクリートブロツク等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロツク、タイル等を取付け、又ははり付ける工事
鋼構造物工事形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事
鉄筋工事棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事
ほ装工事道路等の地盤面をアスフアルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等によりほ装する工事
しゆんせつ工事河川、港湾等の水底をしゆんせつする工事
板金工事金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事
ガラス工事工作物にガラスを加工して取付ける工事
塗装工事塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事
防水工事アスフアルト、モルタル、シーリング材等によつて防水を行う工事
内装仕上工事木材、石膏ボート、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペツト、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事
機械器具設置工事機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事
熱絶縁工事工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事
電気通信工事有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事
造園工事整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造する工事
さく井工事さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事
建具工事工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事
水道施設工事上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事
消防施設工事火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事
清掃施設工事し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事
解体工事工作物の解体を行う工事

上記が建設業法で定義されている建設工事にあたります

建設業法の条文だけでは少し射程範囲が広すぎるものもあるので少し絞る材料を加えます

日本標準産業分類において建設工事とは、現場において行われる次の工事としています

・建築物、土木施設その他土地に継続的に接着する工作物及びそれらに附帯する設備を新設、改造、修繕、解体、除去もしくは移設すること

・土地、航路、流路などを改良もしくは造成すること

・機械装置をすえ付け、解体若しくは移設すること


2つの一式工事と27の専門工事に日本標準産業分類の定義を掛け合わせて判断すれば、おおよそ建設工事に該当するかどうかの判断はつくかとは思いますが

一方で建設工事は多種多様でどの業種に該当するのかも含め判断に迷うこともあると思います。
そんなときは建設業班などの行政の担当課に尋ねてみると教えてもらえますので、判断できないときは確認をしてみて下さい

建設業許可のことでお困りごとがありましたら
初回相談料は無料となっておりますので
遠慮なく当事務所にお問い合わせください

「行政書士 藤井法務事務所」