産業廃棄物 「産業廃棄物の許可の種類は何があるのか?」 制度の大枠、解説します

産業廃棄物が関係する許可といってもすぐイメージができる方は少ないと思います

ここでは産業廃棄物がどういう流れをたどってい

その中でどんな許可が必要になるのか解説をします

産業廃棄物は収集運搬、中間処理、最終処分の3つの工程からなります

産業廃棄物が排出されたら中間処理施設まで運搬します

中間処理施設ではリサイクルをしやすくするために選別をおこなったり
最終処分の量を減らすために破砕や焼却、脱水をして減容をします

そして、処理が終わったものは最終処分場へと運搬され処分されます

最終処分場では埋め立てたり、海洋放出をしたり、施設で保管します


産業廃棄物収集運搬の許可



この許可は産業廃棄物を
収集運搬するための許可になります



収集運搬は主にトラックが使われますが、産業廃棄物はその種類が多岐にわたるので、パッカー車や脱着装置付きコンテナ車などの専用車が使われることも多いのが特徴です

収集運搬業の許可は「積替え保管なし」と「積替え保管あり」に分けられています
扱う産業廃棄物の区分けとして「(普通)産業廃棄物」と「特別管理産業廃棄物」とに区分けされます
自社が収集運搬する産業廃棄物を20品目の中から選択して申請します

〇「積替え保管なし」は排出現場から処理場へ直接運搬する場合に必要となる許可です

〇「積替え保管あり」は排出現場から産業廃棄物をいったん、自社に持ち帰り別の車に積み替えたり、車庫で保管する場合に必要な許可です

例えば、
夕方に現場から産業廃棄物を収集した場合に処理場の営業時間内に持ち込めないので、翌日に持込をすることとして、自社の車庫で産業廃棄物を積んだままにしておくには「積替え保管あり」の許可が必要です


〇「特別管理産業廃棄物収集運搬」は特別管理産業廃棄物だけを収集運搬するための許可です

引火点70℃未満の廃油は特別管理産業廃棄物になります
収集運搬するには特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可が必要になります
この許可を持っている運搬業者は引火点70℃未満の廃油を運べます
しかし、引火点70℃以上の廃油は運べません
理由は普通の産業廃棄物だからです
引火点70℃以上の廃油を収集運搬するには普通の産業廃棄物収集運搬業の許可が別途必要になります

「特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可」も「積替え保管あり」と「積替え保管なし」があります



産業廃棄物処分業の許可と産業廃棄物処理施設の設置許可

この許可は産業廃棄物処分業を行うための許可になります

処分業といっても産業廃棄物がさまざまであるため、その処理施設も焼却施設や廃液の中和施設、コンクリートの破砕施設や汚泥の脱水施設など多岐にわたります

産業廃棄物の処理を行う種類ごとに許可が必要になります

特別管理産業廃棄物に関しては特別管理産業廃棄物のみの処理ができます
また中間処分業、最終処分業ごとに申請が区分されています

この産業廃棄物処分業の許可の特徴はとにかく時間がかかるということです
処分業は立地が最重要課題となります
周辺地域への説明をおこなって理解を得る必要がありますし、行政との折衝も必要不可欠です
産業廃棄物を扱うことから生活環境影響調査をする必要もありますし
環境保全のための措置も欠かすことはできません


また処理施設を設置する場合は産業廃棄物処理施設の設置許可が別途必要になります

産業廃棄物処理業者が、自社で産業廃棄物の処理施設を設置して、その施設で産業廃棄物を処分する場合は、両方の許可が必要になるということになります


最後に

廃棄物処理法は規制の厳しい法律の一つです
この業種で事業を営まれる方にとって廃棄物処理法の理解と産業廃棄物の許可は
切り離せない存在です

今回は大枠のみの解説でしたが全体像をなんとなく掴んでいただければ
細かい部分に入っていきやすくなります

理解の手助けの一つになれば幸いです