特別管理産業廃棄物とは何か? わかりやすく解説します



特別管理産業廃棄物とは
爆発性、毒性、感染性などの性状を有する産業廃棄物のことで廃棄物処理法で規定された7種類の廃棄物のこと

産業廃棄物は、事業活動に伴って生じたゴミの総称ですが、その中でも、特別管理産業廃棄物は、人体や環境に特に悪影響を及ぼす可能性があるため、より厳しい管理が必要となるものです



特別管理産業廃棄物の7種類

特別管理産業廃棄物の種類具体例
廃油揮発油類 灯油類(引火点が70度以下の燃焼しやすいもの)
廃酸水素イオン濃度指数が2.0以下の廃酸(腐食性が著しく高い廃酸)
廃アルカリ水素イオン濃度指数が12.5以上の廃アルカリ(腐食性が著しく高い廃アルカリ)
感染性産業廃棄物使用済みの注射針やメスなど感染性病原体を含む恐れのある廃棄物
特定有害産業廃棄物「PCB」 「廃石綿等」 「政令で定められた特定施設等から排出されるものであって、有害物質について、環境省令で定める基準に適合しないもの」
ばいじん輸入廃棄物の焼却に伴って排出され、集じん施設で集められたもので環境省令で定める基準に適合しないもの
ダイオキシン類ダイオキシン類を1グラムにつき3ナノグラムを超えて含む、燃え殻、ばいじん、汚泥

廃油について

発揮油とはガソリンなどの燃料油のことです
それ以外の油でも燃焼しやすいものが対象となります

廃酸について

廃酸は使用済みのバッテリー液や工業用廃液などがありますが
水素イオン濃度指数2.0以下の廃酸が対象となります

廃アルカリについて

廃アルカリは苛性ソーダやアンモニア水など化学製品の製造過程で発生する廃液などがありますが
水素イオン濃度指数12.5以上の廃アルカリが対象となります

感染性産業廃棄物について

血液や体液、注射針、メス、血液が含まれるチューブなどが対象となります
また、病原体の感染力が強いものや病原体が大量に含まれているものも対象となります

特定有害産業廃棄物について

・PCB(ポリ塩化ビフェニル)
PCBは人工的に作られた油状の化学物質で電気機器の絶縁油としてよく使われていましたが、毒性が強いため現在では製造・輸入ともに禁止されています
古い変圧器やコンデンサーなどに使用されている可能性があるものです

・廃石綿等(アスベスト)
石綿は天然にできた鉱物繊維で熱、摩擦、酸やアルカリにも強く丈夫で変形しにくい特性から多くの工業製品に使われていましたが、発がん性物質を多く含むことから現在では原則製造、使用は禁止されています

・有害物質について、環境省令で定める基準に適合しないもの
水銀やカドミウム、鉛、六価クロムなどの化学物質が対象となります

ばいじんについて

輸入廃棄物焼却集じん物とは、物を燃やした時に発生する煙やすす、チリのことです
その中に重金属など有害物質が含まれているものが対象です

ダイオキシン類について

ダイオキシン類とは単一の物質ではなく複数の物質の総称のことです
よく車の排気ガスに含まれているといわれていますが、
ここでの対象はダイオキシン類対策特物措置法第2条第2項に規定される特定施設らか排出されるものです
廃棄物焼却炉から排出される燃え殻やばいじんが対象です

まとめ

特別管理産業廃棄物は特別な管理が必要な産業廃棄物ということです

これらの有害な廃棄物が不法投棄されていた問題を受けて
1991年の廃棄物処理法改正で特別管理産業廃棄物が新しく設けられました


この特別管理産業廃棄物は様々な種類があり、専門家でないとわからないものもありますが
こういう廃棄物があって、それらが管理されていることを知っておくことが大切かと思います

理解の手助けの一つになれば幸いです。